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俺は、単さんの髪をそっと撫でた。
単さんにもう一回と、物凄く色っぽくねだられたんだけど、俺はそれに、「今日はこの位にしておきましょう」と答えたのだった。男とするのは初めてだと言ってたから、負担を掛けたくなかったのに。
単さんは拗ねて眠ってしまった。
髪の次は、首筋。
俺が付けたキスマークを辿るように触れる。
「…龍司?」
単さんが目を開けた。
睫毛が長くて、黒目の大きい目…。
俺は単さんの瞼にキスをした。
「起こしてしまってすみません。嬉しくて…」
それから、唇にもキス。
「…そうだ、単さん、マリーさんのお墓、フランスですか?」
単さんは顔を上げて、驚いた顔をする。
「日本に無い訳ではないが…」
「明日晴れたら、俺を連れて行って下さい。マリーさんに、話がしたいです」
「話?」
単さんの顔は訝しげだ。
「何の話かは明日まで秘密です」
単さんは納得いかなそうだったけど、それに気付かないフリをして、頬に触れた。
「さあ、おやすみなさい」
単さんに言った。
「おやすみ…」
言うが早いか、もう眠りに落ちている。
俺も目を閉じた。
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