未来

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「鎖が…切れた…」 単さんは、自分の服の中をごそごそ漁って、切れたチェーンと外れたリングを見せてくれた。 「マリーさん…」 気が付くと、涙が頬を伝っていた。 単さんを見ると、単さんも泣いていた。 「単さん…」 マリーさんの前で悪いとは思ったけど、単さんを抱き締めた。 「…俺は、幸せになってもいいのかな」 俺の背中に腕を回しながら、呟くように言う。 「当たり前です」 単さんを抱く腕に力を込めた。 「なぁ、龍司…頼みがあるんだ」 腕の中の単さんが言った。 「何ですか?」 「俺より長生きしてくれ。一分でも、一秒でもいいから」 「単さんっ」 …単さん、プロポーズみたいです。 あまりに嬉しくて、更にきつく抱き締めてしまった。 「龍司っ…苦しい」 「すみません」 ぱっと単さんを離すと、じっと真顔で見つめられた。
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