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単さんから返ってきた言葉は一言。
「心に決めた人がいる」
それだけだった。
それを聞いて、目の前が真っ暗になった。
更に、傷心の俺に追い討ちをかける出来事があった。
見てしまったんだ。
単さんの、心に決めた人…。
ヨーロッパ系の外国人で、とても綺麗な人だった。
買い物帰りに入ったカフェに、単さんと二人でいたのだ。
単さんは彼女を愛しそうに見つめていて、胸が痛んだ。
だからといって、単さんの側を離れる事はできない。
頻度は減っても、単さんはやっぱり寂しそうな顔をする事があったし、単さんは、何というか…壊れてしまいそうな危うい感じがして、放っておけなかった。
単さんも、別に変わらずに接してくれたから、俺たちは何も変わらずに一緒にいられた。
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