思い出

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俺は調理師学校へ進学し、この街を離れたから、単さんと会う機会はほとんど無くなった。 寂しい時にはいつでも呼んで下さいって言ったけど、単さんが俺を呼ぶ事はなかった。 幸せに暮らしているんだろうって自分に言い聞かせ、次の恋をしようって、無理に恋人を作ったりもした。 でも、俺の中の単さんは鮮やか過ぎて、どんな相手と付き合っても長続きはしなかった。 調理師学校を卒業した後、俺はこの街に戻った。 街のレストランに勤めだして、仕事に慣れてきた頃、料理を出しに行ったら…そのテーブルに単さんがいた。 「龍司、帰ってきてたんだな」 変わらない単さんの姿に、俺の胸は高鳴った。 そこで、やっぱりまだ単さんが好きなんだと改めて実感したんだった。
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