2人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
そろそろ時間も12時辺り、お腹が空いてきました。今日は久々に贅沢でもしましょうかな。
念の為、財布と相談をしてみた。
結果、千円札が一枚みられた。
時勢に関係なく私の財布は乏しいのです。でも定食屋くらいには行けるはず。
見回せば今にも潰れそうな定食屋があったので、迷わずそこでお昼にすることにした。
定食屋「平(たいら)」。あと一ヶ月といったところですか。
「失礼いたします」
暖簾(のれん)をくぐるとテーブルが四つしかなかった。その内、空いているのは二つだけ。
入って左奥のテーブルに座ることにした。
老舗の空気をムンムン漂わせている。壁を見ればひびを見つけたり、従業員はおばさん一人だけ。
テーブルの角に置かれたメニュー表を見る。
おにぎりセット(鮭・梅・昆布)だけ。この中から選ぶんですかね? おまけに値段が1200円。
確か財布の中にいくらか小銭が入ってたな。今はそれどころではない。
おにぎりセットだけで1200円…………ぼったくりではないか?
入ったからには仕方がない、
「すみませーん!」
おばさんがぼちぼちと歩いて来た。
「なんじゃ?」
不機嫌そうな顔で面倒くさそうに言ってきた。もはや接客態度と言う言葉が頭に無いかのように。
「おにぎりセットの梅で……」
「はいはい。ちぃと待ってな!」
面倒くさそうに厨房に戻って行った。
最初のコメントを投稿しよう!