息子いたっけ?

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そろそろ時間も12時辺り、お腹が空いてきました。今日は久々に贅沢でもしましょうかな。 念の為、財布と相談をしてみた。 結果、千円札が一枚みられた。 時勢に関係なく私の財布は乏しいのです。でも定食屋くらいには行けるはず。 見回せば今にも潰れそうな定食屋があったので、迷わずそこでお昼にすることにした。 定食屋「平(たいら)」。あと一ヶ月といったところですか。 「失礼いたします」 暖簾(のれん)をくぐるとテーブルが四つしかなかった。その内、空いているのは二つだけ。 入って左奥のテーブルに座ることにした。 老舗の空気をムンムン漂わせている。壁を見ればひびを見つけたり、従業員はおばさん一人だけ。 テーブルの角に置かれたメニュー表を見る。 おにぎりセット(鮭・梅・昆布)だけ。この中から選ぶんですかね? おまけに値段が1200円。 確か財布の中にいくらか小銭が入ってたな。今はそれどころではない。 おにぎりセットだけで1200円…………ぼったくりではないか? 入ったからには仕方がない、 「すみませーん!」 おばさんがぼちぼちと歩いて来た。 「なんじゃ?」 不機嫌そうな顔で面倒くさそうに言ってきた。もはや接客態度と言う言葉が頭に無いかのように。 「おにぎりセットの梅で……」 「はいはい。ちぃと待ってな!」 面倒くさそうに厨房に戻って行った。
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