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かれこれ3分待ち、ようやくおばさんがおにぎりを乗せた盆を持ってきた。
「はい持ってきたよ。おにぎりの鮭セット」
はぁ………………?
(確かに私、梅と言いましたよね。まぁどっちでもいいや。ここはまだ咎めるべきところではありません。それを言うならおにぎりに2個とたくあん2個で1200円の方が……)
「いただきます」
まずはたくあんにかじりつく。
……うん、普通の味だ。
これは安心すべきところ。
次におにぎりに食らいつく。
あぁ……普通の味だ。
中には皮肉った鮭が内蔵されていた。
この味を解説しようと試みたが、「普通の味」の一言に限られるのでやるだけ無駄なことに今更気付いた。
「ごちそうさまでした」
そこそこ腹は膨れたので今までの愚行は許すことにするか。
「おばさん、会計をお願いします」
既に待ち構えてた。
「1260円だよっ」
はいはい1260円ですね。(税金取るのかよ、何と阿漕な商売)
気を取り直し、はいはい、1260円ですね。財布をいじくる。
まずは札を一枚。
次に小銭を漁る。
100円……200円……50円……1円玉が(ドクン、ドクン)……7枚……だけ?
何!? この不快なオチは。
7円って何だよ! 普通は9円だろ! 何だこの、金が足りないだけではなく中途半端でフィクションらしくないオチは。
「早くださんか!」
「金が足りねぇから'ただ'にしない?」
「はあ!?」
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