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一週間振りの休みだった。
休みだからと言って予定はなく、居間でテレビを見ながらお菓子をむさぼる。
それこそが至福の時間…。
誰にも邪魔されない。何も考えず時間の流れに身を任せるだけ…。
だが、それは突然のチャイムの音に遮断されてしまったのだ。
チャイムは来客を告げる。
休みの日には誰とも会いたくない。それにこんな昼間に来るのはセールスマンか、町内の集金に決まってるから余計に出たくはない。
急いでテレビの電源を切り、部屋に逃げ込もうとしたのだが、鍵を掛け忘れていたのか扉が開く音が…そして…
「こんにちわ~」
玄関先から声を掛けられた。
相手の姿は見えない。
向こうもこっちに気付いていない。
ただ声を掛けただけの挨拶。
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