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窓を開けると空気とともに
潮の香りが部屋に入ってきた。真っ暗な夜空には星が一つ輝いていた。
孤独に・・・・・・。
「馨君、あなたは私を疑って
いるの?私が父を殺したと。」
私は静かに尋ねた。
「いいえ、僕は別に瑠香さん
を疑っているわけではありません。一つの可能性です。」
馨はそういうとタバコの火をもみ消した。
彼、馨は私の父、藤堂修の研究所で働いている研究員だ。
正確に言えば、私の研究所で働いている研究員だが・・・。
その父は先日、突然死をとげた。理由は分からない。
それを馨は調べているのだ。
「修さんの死は不可解なんです。いきなり過ぎですし。何でも良いんで知っている事を教えてください。」
馨はそういって頭を下げた。
「父のことを思ってくれて嬉しいわ。頭を上げて。そこに座ってください。お話しますから。」
私はそういうと窓を閉めて、ソファに腰掛けた。
「私は父の死因を研究が原因だとみているの。あれは5年前のことよ・・・。」
父たちの研究チームはある研究を進めていた。それはこの地球とは違う異世界を作る事だった。そして、ついに出来たの。【エデンの園】という異空間が。それはスーパーコンピューターの中の世界だった。
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