花開き

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「君は誰?」 「貴方こそ、だれ?」 僕が聞いたことを、彼女はそのまま僕に問いかけてきた。 「何故貴方、この場所にいるの?」 「それは僕も同じだよ。 なんで君がこの場所にいるの?」 僕は彼女の問いを無視して、逆に彼女に聞いてみた。 「私? 私はこの場所が全てだから。 貴方は?」 「僕はこの場所が思い出の場所だから」 僕は彼女の問いに初めて答えた。 「思い出? 誰との?」 「おじいさんとの。 今はもう、いないけど……」
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