9/9
前へ
/40ページ
次へ
「まだ蕾だな」 僕は思わずつぶやいてしまった。 僕はおじいさんがいなくなってからも、毎年春になるとこの桜を見に来る。 僕にとってはおじいさんとの思い出も場所って感覚もある。 僕はまだ花のなっていない桜をボーっと眺めていた。 その時!! 後ろから誰かの声が聞こえた。 そして僕が振り返って見たものは……… 黒髪が肩のあたりまで伸びていた僕と歳が同じぐらいの少女が立っていた。 相手も僕を見て驚いている。 そんな彼女の顔はとても、美しいものであった。 まるでこの桜のような美しさだった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加