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「だぁーっ!何で再編早々こんな奴と同じチームなんだよ!」
「ふん…それはこっちのセリフだ」
リリスのネティクスの後ろで、リュングとレオンがいがみあっていた。彼らは今、アフリカ大陸制圧作戦の真っ只中にいる。遡ること数時間前…。
「作戦の概要を説明するわ。まず、私達Gフォースの任務は、補給線の確保及び作戦終盤における敵部隊の撤退阻止よ。どちらの任務も、2班にわかれて行動してもらいます」
リリスがスクリーンを指しながら説明をする。
「2班ってことは…3・3に分かれるってことだよな?」
リュングが尋ねる。
「えぇ。とりあえずみんなにはチーム戦になれてもらうわ。私達の目的はあくまでも新型機の試験、撃墜されちゃ意味がないから」
「あの…メンバーはどうなってるんですか?」
カイトが怖ず怖ずと手をあげた。
「ま、俺くらいになりゃ、どんな奴と組んでも余裕だがな!」
リュングが踏ん反り返る。
「ふん…それは貴様がミスをしても周りがフォローしてやってたからだろう」
「お、いいとこつくな」
レオンの皮肉に、グレイブが同感といったぐらいに笑いながら言った。
「てめぇら…」
リュングがふるふると体を震わせる。
「冗談だよ、リュング」
グレイブがなだめる。その時、それを観察していたリリスが呟いた。
「…決めたわ」
「へ?」
「メンバーよ。まず、私のチームとディアン中尉のチームとに分かれるわ」
「ム…俺が小隊長…ですか?」
ディアンは驚いたようにリリスを見る。
「お言葉ですが…俺よりレオン中尉の方が小隊長には相応しい気がしますが…」
ディアンが静かに言う。それにリュングが口を挟んだ。
「こんなに他人の文句ばっかり言う奴よりもオッサンの方が全然隊長向きだって!」
「ふん…」
「オッサン…」
リュングの言葉にディアンが戸惑う。
「レオン中尉には私のチームに入ってもらうわ。ディアン中尉のチームにはグレイブ准尉とカイト少尉に入ってもらいます」
「了解です。…オッサン…」
ディアンはまだリュングの言葉を気にしていた。
「ん?てことは…俺も隊長のチームってことだよな。…はっ!?」
リュングがリリスを見る。
「レオン中尉とリュング准尉には私の下でチームワークというものを覚えてもらいます」
リリスは二人を見ながら力強く言った。
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