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「赤い…MS。まさか、奴…なのか?」
リュングは敵のMS…『ザクウォーリア』を見ながら独り言を呟く。それと同時に、左頬の傷が疼いた。
「くっ…うおぉぉーっ!」
リュングがザクウォーリアの元に向かう。
「おい!…あの馬鹿が!」
レオンもそれを追いかける。リリスもその後に続いた。
「MSに熱量が収束…!まずい、もう一撃来る!准尉、射軸から離れなさい!」
リリスが敵の様子を見ながら叫ぶ。
「うあぁぁーっ!」
「くそ、聞こえてないのか!」
レオンが機体速度を急速にあげ、リュングの真横に並ぶ。と、同時に敵のオルトロスが火を噴いた。
「はっ!?」
リュングは回避しそこなう。
「どけ!」
レオンはリュングを弾きとばすと、シールドを構えた。閃光がレオンのシールドとぶつかる。
「僕を…あいつと一緒にしないでもらおうか!」
レオンは片手でビームサーベルを構えると、シールドでビームを防いだまま敵に突進する。
「はぁっ!」
ザクウォーリアまで一気に近づいたレオンは、ビームサーベルでオルトロスを切り裂いた。
「!?」
得物を失ったザクウォーリアが離脱していく。ディアン隊や他の部隊が戦っていた敵部隊も離脱していった。補給機を1機失ったが、他の補給機は辛くも守ることができたのだった。
「ありがとう、Gフォース。補給物資を残すことはできないが、撃墜されたミデアのこと、よろしく頼みます」
補給部隊から通信が入る。リリスは返答をすると、帰還信号をあげた。そして、リュングを見る。
「准尉…あとで私のところに来なさい。中尉もお願いできるかしら?」
「了解です」
「…」
リュングは黙ったままだった。かくして、Gフォースの初陣は一応の成功をおさめたのだった。
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