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ブリーフィングルームに二人が着いた時には、すでに数十人の人間が集まっていた。
「時間だな…。これより、新部隊についての説明を始める」
地球連合軍大佐のデューク・レッセルドが声をあげる。
「既に諸君も聞いていると思うが、諸君らの部隊は再編されることになった。前任の隊長は既に他の隊に転属しているので、まずは諸君らの新たな隊長を紹介しよう。入ってきたまえ」
デュークの声と共に、部屋の前方の扉が開いた。そこからは長身でスタイルのいい女性が入ってきた。
「うはっ…いいケツ」
リュングはその姿をみて、つい声を出してしまう。女性…リリス・ホーキンス少佐はリュングを一瞥すると、兵士達の前に立った。
「本日より、みなさんの隊長に任命されました、リリス・ホーキンス少佐です。よろしく」
挨拶も早々に、兵士から歓声があがる。
「ごほん」
デュークはその光景を見ながら咳ばらいをした。
「諸君らの部隊再編による主な変更点を告げる前に、まずは、諸君らの階級を戦時特例として2階級あげさせてもらう」
「お!昇進だぜ、俺達!2階級ってことは…准尉じゃねぇか!」
リュングが素直に喜ぶ。
「バカヤロウ。2階級昇進ってことは、死ぬ危険性が高い任務につくってことだろうが。何喜んでんだよ」
グレイブがやれやれといった感じで言った。デュークがグレイブに頷きながら続ける。
「ガルファスの言った通りだ。諸君らの部隊は、これより新型機の実験部隊として任務についてもらう」
「新型機?…つまり、試作機のテストをやれってことか?」
「そういうことだ、フィリップス。諸君らは実戦テストを行う者と、その護衛につく者とにわかれる。人選はホーキンス少佐に一任してあるので、後ほど発表してもらう」
話の途中で、リュングがそわそわしだした。
「ってことは、あれか!俺達、ガンダムに乗るかもしれないってことか!」
「…ごほん。あまりうかれるなよ、フィリップス。実戦での新型機は敵に一番に目標にされる。ガンダムならなおさら…な」
「うぐ…」
「フッ、まぁいい。これより、諸君らの部隊を地球連合軍第13独立機動戦隊『Gフォース』とする。これは、フィラルド・ベックマン少将の直接指揮で行われる『プロジェクトG』の一貫である。諸君らの奮闘に期待し、私からは以上とする。あとはホーキンス少佐の指示に従ってくれ」
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