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「リュングさんって、第一次大戦でドムを10機落としたっていう、あのリュングさんですよね?」
「お?あぁ!そのリュングだ!ハハハハハ!」
リュングはかつて自分が打ち立てた記録を言われて胸をはる。
「いや、あの記録は実は…ぐっ!」
リュングが、何か言おうとしたグレイブを、笑いながらエルボーで黙らせる。
「自分、訓練生の時からその話を聞いて、すっごい憧れてたんです!わぁ…本物だ…」
まさかのベタ褒めに、気分をよくしたリュングが、レオンを見る。それに気付いたレオンは鼻で笑った。
「くっ…あのガキぃ…うがっ!」
今度こそ飛び掛かりかけたリュングの前に、いきなり壁ができた。リュングは思いきり顔面を強打する。
「いってぇ~…何だよ、いったい!」
リュングが見上げると、かなり大柄なサングラスの男の顔が見えた。
「ム…スマンな、気付かなかった」
「で、でか!」
リュングが素直な感想を口にする。2メートル30はあろうかというその男は、リュングを見下ろしながら自己紹介をする。
「俺はディアン・マクガバンだ。階級は…」
男は指をおって数える…5秒ぐらい考えた後に、中尉だ、と答えた。
「なが!一発で数えろよ!」
「スマン…。算数は苦手なんだ」
男が顔を掻きながら言う。
「ちっ…何だよ、この濃いメンツは」
興が削がれたリュングは、椅子に座る。
「自己紹介は済んだかしら?じゃ、ちょっとついてきてもらいましょうか」
騒ぎがおさまったことを確認したリリスは、部屋を出ていく。
「こいつら…本当に大丈夫なのか?」
ぞろぞろとそれについていく兵士達を見ながら、デュークは頭を抱えるのだった。
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