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「最後に、この2機…」
リリスは一緒に並んだ2機のMSを見ながら説明を始める。
「この2機は、バックパックを交換することで、様々な戦局に対応できるようになっているわ。今はまだ高機動戦闘用のものしかないけど、後々追加される予定よ」
「…何か、灰色でパッとしない機体だな。どっちかに俺が乗るんだろ?」
リュングは口を尖らせながら言った。
「そうね…右にあるのがストライクガンダム。リュング准尉…あなたが乗る機体よ」
リュングはストライクを見る。が、いまいち感動が湧いてこない。
「左にあるのがインパルスガンダム。こっちにはレオン中尉が乗ってください」
「はい」
レオンも、いまいち納得がいってないみたいだった。
「この2機には、もう一つ新しい機能がついているの。そのテストもかねているわ。…お願い!」
リリスが整備中の兵士に言う。兵士は敬礼するとコクピットに入っていった。MSの起動音が聞こえる。
「何するんだ?」
リュングが尋ねた。リリスは見ていなさいと言う。次の瞬間、2機のMSの装甲が色を変えた。
「うおっ!何だこりゃ!」
リュングが驚いていると、リリスが拳銃を抜いてストライクに向けて発砲した。
「な、何やってんだよ隊長!傷がついちまうだろう!」
リュングは慌ててストライクにかけよった。
「うわわわ…って、あれ?無傷だ」
リュングは不思議な顔でリリスを見る。
「これはPS(フェイズシフト)装甲と呼ばれるものよ。実体弾では効果的なダメージを与えられないようになっているわ。ストライクとインパルスには、この装甲が装備されています。エネルギーが尽きるとまた灰色に戻ります。この時はPS装甲は機能していないから、実体弾でもダメージを受けるわ」
リリスの説明を聞きながら、リュングはふるふると肩を震わせていた。
「すげぇ、すげぇな!こいつが俺の機体かぁ!」
「ふん…。浮かれすぎて調子に乗らないことだな。フォローするのが面倒だ」
レオンがリュングの姿を見ながら言った。リュングは、その言葉が聞こえていないのか、ずっとストライクの周りをうろついていた。
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