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それから何週間かして、真奈美にカフェに呼び出された。
「久しぶり。」
「この前は、ごめんね・・・」
「過ぎた事はもういいよ。それよりどうなの?翼くんとうまくいってるの?」
「うん。」
あれ以来、翼との付き合い方を少し変えた。
すると、何だか今までの不安が少し拭いきれた気がした。
「千鶴が、色々悩んでるの、私知らなかったわけじゃなかったんだけど、なかなかいいアドバイス出来なくてごめんね。」
「なんで?真奈美は全然悪くないよ。真奈美の面子つぶしちゃったし、謝るのは私のほうだよ。」
「だけどさ、年下と付き合ってる以上は、結婚できないなんて、私が言っちゃったからさ・・・」
「真奈美、ありがとう。でも、真奈美がそんな事を言う前から、私もそう思ってたんだから。真奈美のせいじゃないよ。」
千鶴はそう言うと、真奈美に微笑んだ。
「私もさ、実は幸せそうにしてるけど、旦那の浮気で悩んでるんだよ。千鶴には言えなかったけどね・・・」
「真奈美・・・」
結婚して、幸せだとばかり思っていたのに、現実はそうではなかったのだった。
「あのね、千鶴に言いたいの。結婚したら絶対に幸せになるって保障はどこにもないの。結婚したら安定した生活が送れるかっていうと、案外色んな事で悩んだりするんだよ。
旦那の事とか、子供の事とかね。
だけど、家庭の恥を晒したくないから、なかなかみんな言えずにいるの。
私なんて、旦那が浮気してるの何度も注意して、その度大喧嘩よ。」
「そうだったんだ・・・全然知らなかったよ。」
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