少しずつ

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「翼くんの事、若いから結婚できないから、止めとけって言ったけど、でもさ、それだけ千鶴を思ってくれて、自分の事より千鶴を優先してくれる人、滅多にいないと思うよ。 千鶴は、愛されてるんだよね。うらやましい。」 真奈美から、そんな言葉を聞くとは思っていなかった。 「私、思うんだよね、若いから愛し方を知らないって決め付けちゃいけないんだって。 よっぽど汚れた大人より、純粋で、無垢で、一途だと思うよ。 なんかさ、千鶴の話聞いて、その翼くんに会ってみたくなっちゃったぐらいよ。」 「そうなんだよね・・・本当どっちが年上なんだか・・・」 「だからさ、あんまり結婚なんかに囚われないでもいいと思うよ。今日はさ、それが言いたくてね。」 真奈美の気持ちは痛い程、伝わった。 自分の事ばかり言ったいたが、真奈美の事も心配だった。 「真奈美の方は、旦那さんの浮気は大丈夫なの?」 「うーん、ちょっと微妙かな。離婚しようかなって思ってはいるよ。 子供がいるから、我慢してたけど、逆に子供がいれば、旦那なんてって思うこともある。」 真奈美は悲しそうな目をしていた。 「旦那さんのこと、愛してないの?」 真奈美は、少し悩んでため息をついた。 「愛しているから、悩んでんだよね。」 「そうだよね・・・」
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