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いつからだったろう、恋愛に条件をつけるようになってきたのは。
昔は、好きだという思いさえあれば、その人とずっと一緒にいれる気がしてた。
いつからだろう、誰かが傍にいないとダメになったのは。
昔は、誰とも付き合った事もなくて、友達とわいわいやってるだけで、幸せだったのに。
一度、ぬくもりを知ってしまうと、男なしでは生きていけなくなってしまう。
そんな人ばかりではないけど、きっと、恋愛依存症なのだろう。
ふと、翼にこんな事を聞いてみる。
「翼って、私が初めてだったんでしょ?」
「な、何だよ。唐突に!」
少し照れたところも、可愛い。
「他の人と、してみたいと思わないの?」
「え?何で?思わないけど・・・」
「そっか。」
「何で、そんな事聞くの?」
「えー、色々気になって。体の相性とか、そう云うの私だけだと、わからないでしょ?」
「じゃ、俺が誰かと寝たら、千鶴は耐えられるの?」
「耐えられない。」
「じゃ、変な事聞くなよ。」
「ごめん。」
どっちが、大人なんだか、わからなくなる。
千鶴は可笑しくて、つい笑った。
翼に、私の常識を押し付けても、仕方がないんだ。
最近、そう思えるようになった。
「なんだよ、千鶴は、今日はそういう気分なのか?」
千鶴を覗き込んだ翼が、千鶴をソファーにそのまま、押し倒した。
「ち、違うよ。」
そう言ってはみたものの、翼の言いなりになってしまう。
「千鶴、愛してるよ・・・」
そう言うと、二人は愛し合う。
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