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「──…ぎッ!如月ッ!」
「……ん…」
「如月!おーきーろーッ!」
「……ふぁ?」
「…ったく…お前はどんだけ寝れば気が済むんだ?」
自分の名を呼ぶ声がし、何かと思い顔を上げれば、そこには呆れ顔の数学教師が僕を見下ろしていた。
僕はまだ眠たい目を擦りながら、小さく“眠いのに…”と文句を吐き出して先生を見上げる。
「お早うございます、先生」
「お早うじゃないだろっ…もう四時間目終わったぞ?」
「へ?じゃあ、もうお昼休みですか?」
「そうだ」
しばしの間、瞬きを数回繰り返す。次の瞬間僕は勢いよく立ち上がり、教室のドアへと向かった。
呆気にとられている先生の方を振り返り、ピョコンっとお辞儀をする。
「では、お昼を食べてきますので失礼します」
「は?おい、如月…如月ィッ!!」
先生の呼び掛けを背に、僕は食堂へと歩き出した。
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