表と裏の世界

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この学校には給食というものがない。屋上や園庭でお弁当を食べたり、食堂で買ったりするという公立中学校では珍しいスタイルだ。 入口で迷うことなく食券を購入し、いつもの指定席にお盆を置いて確保しておく。 食堂にはいると、一足先に行って待っていた樹が僕に駆け寄ってきた。 「アッちゃん、今日も“アレ”食べんの?」 「おぅっ勿論!今日も食べるぞーッ!!」 樹のいう“アレ”とは僕専用のメニュー…というか、大盛メニューで完食したら全て無料というなんという素晴らしい食堂の企画なのだ! 「よーしっ!おばさん、今日も“アレ”頂戴!」 僕はカウンターに食券を出して、意気揚々と食堂のおばちゃんに声をかけた。image=329287910.jpg
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