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――シャァァァァ・・・
シャワールームから聞こえる水の音にエルが一糸纏わぬ姿でシャワーを使っている事を再確認させてくれる。
生憎だが観察者たる私に性別はないし、それ以前に肉体が存在しない。
だから、覗くつもりもないのでサービスカットを期待されている読者の皆様方には申し訳ないと思っております。
因みに、この世界では時計が高級品だったりする。
この世界での動力原がライフクリスタルなので小型化しづらく、桜国で時計と言えば基本的に中央広場にある時計塔の事を指す。
エルの部屋にある壁掛け時計も金額で言えば、一般家庭の収入の凡そ二ヶ月分にもなる。
なので一般家庭には時計が基本的にはない。
エルがそんな高級品を何故持っているかと言えば、総合研究所の所長に就任した際に前所長から祝いの品として贈られた物なのだ。
では、時計を持たない一般家庭がどうやって時刻を知るのかと問われれば、説明は単純だ。
中央広場の時計塔が鐘で時刻を桜国全体に知らせているから一般家庭も時刻を知る事が可能なのだ。
時計塔では朝の7時と昼の12時、夕方の5時に鐘を鳴らしている。
正確な時刻が知りたければ、近場の時計を設置している店などに行けば問題は無いので、時計を持っていなくとも日常生活には困らないのである。
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