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――カツコツ―カツコツ・・・
部屋を出て来たエルは、一階の老夫婦に挨拶した後に今は桜国の中央広場へと一直線に続く大通りに出て目的の店に向かっている。
舗装され、綺麗に隙間無く敷き詰められた石畳を優雅な足どりで歩くエルに、露店の店主や家の前を掃除している老人などが笑顔でにこやかに挨拶を投げ掛けてくる。
先に述べたように、エルの人柄を知っている人達は多くさっきの露店の店主などは、わざわざ所長の就任を祝いに自宅まで来てくれた程だ。
?「おぉ~~い!!エルぅ~~!!」
歩くエルの後ろから、間延びした声を張り上げてエルを呼ぶ人物がいる。
(まったく、何時もあれだけ恥ずかしいから大声で呼ぶな!!って言ってるのに)
エルはそう心の中で愚痴をこぼし、空を仰いで嘆息すると足を止めて今も大声でエルを呼びながら駆けて来る声の人物に振り返った。
ユメミ「もぉ~!!呼んでるんだからぁ、直ぐに止まってくれてもいいんじゃないぃ~?」
この息を切らせている女性は、ユメミ・F・グレイブ。
正式名を
ユメミ・フォックス・グレイブ
狐を祖とする一族の生まれだ。
特徴は肩の辺りで切り揃えられた美しい金髪に、若干だがタレ目で緑色の瞳、右目の方にある泣き黒子、金の尻尾だ。
スタイルも素晴らしく、顔立ちも美女と言えるし背も173㎝とエルより若干だが高めで本性を知らずに見れば正に知的美人と言える。
女性特有のアレはDよりのC。
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