海の始まりは海

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僕は苦労をしたことがない。 運動部諸君、石を投げないでくれたまえ。 厳密に言えば苦労はそれなりにしたさ。でも、挫折したことはない。凄いだろ。ハハハ。 そんな自慢話は置いといて、今は入学式に集中したい。 僕の話より校長先生のありがたいお話の方が有意義だろ? 神様ごめんなさい。嘘をつきました。全然有意義じゃないです。 あの老人、もう30分は喋ってる。頭の回転が早いようで、勉強の話題からトウモロコシの話題に飛んでるよ。結論を言え。結論を。 こんな時はキョロキョロするに限る。すまん、校長。初日からシカトさせていただく所存であります。 可愛い人を探す。捜す。…。 ドッキャーン! …今の僕の心の効果音はこんなところだ。 やばい。この学校、美人だらけ。芸能事務所みたい。 …っは。まさか夢か!?はたまたドッキリなのか!?カメラは何処だ!?落ち着け自分!? そうだ。冷静になればこんな天国が現実にあるわけがない。僕はお茶の間の皆様に笑いを提供しないぞ。ふふふ。ドッキリを企画倒れに終わらせてやる。
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