海の始まりは海

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「そうだけど、何か?」 半ば喧嘩腰で返してみた。意味はない。 「キモい」 初対面だよな?僕ら。 「ふん。褒め言葉として受け取ろう」 「キモッ」 なんだこいつ。悪口言うために話しかけたのか? 「あたし、沼田 泉(ヌマタ イズミ)ってぇの。花の女子高生だよ。ヨロシクね」 自己紹介された!なんだ?この国では自己紹介と一緒ににけなすのが礼儀になったのか!? よし。 「僕は海野 潤(ウミノ ジュン)だよ。枝毛が多そうだね君」 殴られた。グーで。右目。痛い。 「何するだぁ!僕は好きな人以外に痛めつけられるのは嫌いなんだ!」 「キショッ」 早くもクラスに変態と言うレッテルをばら蒔いてしまった僕だった。この沼田のせいで。 教室の入り口が開いた。
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