ロング・プロローグ 

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「ふふん、こっち見てどうしたのよ?さては私の美少女っぷりに見惚れてたな~?」 笑顔でくるくると纏わりつく葵を、可哀想なものを見る目で見守る俺はきっと紳士だ。 「ほら、一緒に帰ろ~」 「うー」 「返事はせめて否定か肯定にしてよ」 「うー」 ため息つかれた。まぁいつものことだ。 のんびりと俺たちは歩き出す。いつものように他愛の無い話をしたりして帰路についた。 葵はよく笑うやつだ。楽しそうにリアクションもつけて、元気な小動物の印象を受ける。 周りを和ませるその性格は、男女問わず友人がかなり多い。 「空、聞いてる~?」 「全然」 「はぁ・・・。何でそうストレートかなぁ」 「俺のポリシーだ!」 「だからえばるな!!」 そして何より、ツッコミとして欠かせない要因だと俺は思っている。しかも弱天然という優れものだ。
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