入学式

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妹彦視点 桜の花弁の舞うなか、僕は期待と少しの不安を抱え高校の校門をくぐった。 今日から、この 豆岡高等学園 での生活が始まる。 豆岡高等学園(通称豆高)は県内でも有名な進学校だ。 偏差値的には上の中、評判は中々良く、今年の倍率は三倍近くまで昇った。 この学校が人気な理由は、この辺りの高校では珍しい“特選優良生徒援助制度” という制度があるからというのも、1つの理由だ。 この制度は、優秀な生徒に対し援助としてお金を支払ったり様々な権利を与えるものである。 優秀と言っても、単に学力だけのものではなく、スポーツや美術などでも援助を受けることができる。 その援助を受ける人は毎年、学年末に決められる。 去年は一年生は現生徒会長と学年首席が学力で(学年末テストで学年首席は満点を、生徒会長はそれに近い点数を叩き出したらしい。)二年生では元副会長がスポーツで援助を受けたらしい。 ちなみに生徒会長と学年首席はお金ではなく権利を所望したらしいが…何の権利を手に入れたのかまでは知らない。 取り敢えず、そういった制度があるからこそここの生徒は真面目に勉強をし部活動に励み、自分を伸ばそうと努力するのだろう。 僕もそういったこの学園の雰囲気に憧れて入学試験を受けたのだ。
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