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曾五郎視点
僕は基本的に自分に関係のない話は興味を持たない性格だ。
なので、この入学式というものは退屈でしたかなかった。
生徒会長の話の頃にはもう浅い眠りについていた。
だかその眠りも隣のやつの話し声で妨げられた。
起きたときにはもう生徒会長の話は終わっていた。
式の最中に何の話をしているのかと耳を傾ければ、それは先ほどの生徒会長の話だと分かった。
僕の隣のやつのまた隣のやつ。そいつは嬉しそうに生徒会長をべた褒めしていた。
あんないいスピーチ聞いたことがないとか、しゃべり方もだし内容もいいだとか、最終的には見た目も誉め出したから笑えた。
僕の隣の方ははいはい、と適当に流しているようだった。
それでも気にせず話続ける2つ隣のやつ。
僕はそんな二人のやり取りが面白くてつい、聞き耳を立ててしまっていた。
ここまで他人の話しに興味を持ったことははじめてだった。
自分に人の話を聞いて面白いと思えるほどの感性が備わっていたことに少し感動した。
その二人の話が止み、周りをみてみれば退屈な入学式は終わりに近付いていた。
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