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入学式が終わり、僕はクラス分け表をオニオンと一緒に見ていた。
一先ずは、オニオンと同じクラスであることに安堵し、クラスの担任の名前をみて、驚きの声をあげた。
クラス担任の名前は…クリストファー・コロンブスと言った。
「外人ー!!?」
明らかに日本人では無いだろうその名前に僕は思わず叫んでしまった。
そんな僕に対し、オニオンは五月蝿いと、非難の視線を送ってくる。
「先生日本語喋れるのかなぁ~。僕、英語サッパリだからなぁ。」
今度は小さな声で話しかける。
オニオンに睨まれるのは正直いって怖い
だから、少しでもその視線が和らいでくれないかと話しかけてみた。
所がオニオンはてんで方向違いな所を見ていた。
「安心しろ。コロちゃんは、イタリア人と日本人のハーフだから、日本語はちゃんと喋れるぞ!」
と、オニオンじゃない所から返事が聞こえた。
へー、イタリア人のハーフなんて初めて見るなぁ(まだ見てないけど。)
ってか、じゃあ英語は喋れないのかな。
なんてこと考えながら声のした方を向けば、見たことのない人が立っていたが、ネクタイの色から、その人が2年生であることが分かった。
その人は何故か僕の顔をみて驚いた顔をしていた。
そして僕も、その人から何故か目を離せないでいた。
なんだろう、この沸き上がる感情は…。
懐かしいような、でも新しい。
切ないような、でも愛しい。
嬉しいような、悲しい。
不安定なこの気持ちは…。
まるで…
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