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それから皆さん。ショーの最中は逃げたり邪魔したりしないでください。手元が狂っちゃうかもしれませんから。まあここに集まっている皆さんのことですから楽しむつもり満々で来ていると思いますけど。それではまもなく開演いたしますのでお楽しみください。
「完全に楽しんでるな。
もう動けないぞ満利男。
本当にいいんだな?」
広場の時計台は11時58分を指し異様な静けさが辺りを包んでいるように思えた。
「ああ、動いたらやられる。
いいか克司、俺達は何も知らない。
いつものようにグラサンをかけてこの広場で暇を持て余してるだけだ。
まりおの言う通り何も悲しむことはない…、
これから殺されるのは俺達とは何の関係も無い知らない人。
俺達がここにいようがいまいがまりおに殺される運命なんだ。
そして事が終わればただの事件の目撃者だ。
…ただそれだけだ。」
満利男の肩が震えているのを克司は黙っていた。
「あ、あぁ…。
まりおの野郎とは関係ないし、他の観察者もこれから殺される奴らも知らない。
でもよぉ…、
…………。」
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