Graduation from the dark

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暗闇がおぞましい雰囲気を漂わせながら、迫ってくる。 誰もいない教室。 誰もいない廊下。 いるはずの友達の名を呼んでも返事は返ってこず、助けを求めてみても何の反応もない。 静けさの中で、時折気持ち悪ぃ笑い声だけが響き渡る。 ただただ走り回って、逃げ回って、救いを求める。 それでも、求める光は見つからず、暗闇はどんどん広がって、校舎全体を侵食していくよう。 やべぇ…… もう皆アレに飲み込まれたのか? イヤだ。イヤだ。イヤだ。 必死で逃げ回って、追い詰められた教室に閉じこもる。 一段と底知れぬ深みをました暗闇の奥から、気色悪い笑い声。 もう逃げられない。 もう。 呑まれる…… 俺は、堪え切れずに。 ぎゅっと目を閉じた。 「……かくん」 あ……声? まだ、人がいる……? 「西塚くんっ!」  
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