Graduation from the dark

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すっかり人気のなくなった静かな校舎内を教室に向かって歩く。 さっきの夢が思い起こされて、少し寒気がした。 でも、あんな情けない夢に怯えてることを認めたくなくて、この寒気も風邪をひいたせいなんだと自分自身に言い訳をする。 昨夜ずっとだらだらゲームしながら起きてたのが悪かったんだろうか。 卒業生は午後から行けばいいからと、明け方まで大して面白くもないゲームをしてた。 卒業式が終わるまではなんと耐えたが、式中からなんだか気分が悪くて、式の後馬鹿みてぇに泣いたり笑ったりしてる同級生たちを見てたら、さらに不快感が増した俺は保健室へと逃げ込んだ。 どうせなら、早く家に帰ってしまえればよかったんだけど、家に帰っても式を見に来てたはずの親がうぜぇことこの上ないような気がして、保健室での昼寝をチョイスした。 結局保健の先生ってヤツもウザいには変わりなかったけど、静かに寝かせてくれたあたりには感謝しておこう。 静かな廊下。 漂う静けさ。 自分でも馬鹿みたいな夢だったとは思うけど、あながち間違った夢でもないように思えてくる。 くすんだ白い壁の校舎も、中にはまっ黒な闇が溢れてるんだ。 同級の奴らも、先生や親たち大人も。 腹ン中裂いて見れば、きっとまっ黒に違いないだろ。 一番まっ黒なのは、俺自身の腹ン中だろうけど。 やっとこのかったりぃ中学生活から抜け出せる。 それでも。 やっとこの黒い校舎から抜け出したところで、次に閉じ込められる高校って場所が明るい世界だなんて思えない。 どこまで先を見ても、未来に希望なんて持てねぇ…… 空気に色をつけられるとしたら。 きっと世界中がさっきの夢みたいに、暗闇に覆われてるに違いない。 そんなマイナス思考に蝕まれていく間に、通い慣れた教室までたどり着く。  
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