Graduation from the dark

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ページの中心は、友達の書き込みらしく『これからもよろしくね』『高校違ってもあそぼうね』『今までアリガトね』『アタシを忘れるなぁ~』等々。 色鮮やかなペンで書き荒らしてある。 その周囲にちりばめられるように、黒か青、もしくは赤いサインペンで『夢を追いかけろ』『明るい未来に向かって羽ばたけ』『笑顔を忘れず素敵な女性になってください』等々。明らかに大人っぽい字が並んでいる。 月岡には悪いが、しばし無言が続く。 やっぱ見るんじゃなかった。 コメントしようがねぇじゃん…… 夢を追いかけろとか、明るい未来とか……見てるだけで吐き気が戻ってきそうだ。 勢いあまって、バタンと音をたてて閉じてしまった。 「……ごめん」 閉じた卒アルを手にしたまま、月岡に謝った。 夢の中で襲ってきたのと同じような暗闇が忍び寄ってきてる気がする。 そんな重苦しい空気が漂う。 「なんか。さ」 暗闇に押しつぶされそうなことを悟られたくなくて、無理やり声を出す。 「なんか。俺、そういうの苦手で」 必死で言い訳する。 「“夢”とか“未来”とか、そういう単語見ると、なんか気分悪くなっちまって……」 あ。何素直に白状してんだろ。 気まずい空気が、さらに重くなってく。 つーか、俺、どんどん墓穴掘るだけじゃね? 自ら暗闇の中に足を突っ込みそうだ。 いや。足っていうか、頭からずっぽりイキソウ。 「なんか。わかる気がする」 忍び寄ってくる暗闇の動きをピタリと止めたのは、月岡の声だった。  
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