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簡単なので迷子探し、そして難しいので命がかかわる仕事までする。それがギルドだ。
いわゆる何でも屋みたいな感じだ。
学生の中にも自分の力が試したくて属している者もいる。
レイズはもちろんのこと、カナタも渋々ギルドで働いていた。
そのことを学園側で知っているのはほんの一握りである。
普通に【任務】すればカナタの場合、失敗するのだが。
カナタは体力なし、運動神経ゼロに近く、何か【特別】な力があるわけでもない。
ついでにやる気もないし、面倒くさがり屋。
注意しないとお風呂もはいらない。
「カナタ。生活態度改めないとカビるぞ?」
「食べれるカビもあるらしいよ」
「何の話をしている、何の。
たとえカビが生えてきても食うなよ」
「…………」
「無言になるな、無言に」
レイズはため息をすると、カナタを背負い直し歩き出す。
どれくらい進んだか、静かな校内に不穏な空気が広がったのをレイズは気づいた。
前から三人の男たちがやってくる。
「チッ――」
レイズは鋭く舌打ちした。
会いたくないヤツらに遭遇したぜ、という感じで。
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