カナタとルミナス【前編】

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簡単なので迷子探し、そして難しいので命がかかわる仕事までする。それがギルドだ。 いわゆる何でも屋みたいな感じだ。 学生の中にも自分の力が試したくて属している者もいる。 レイズはもちろんのこと、カナタも渋々ギルドで働いていた。 そのことを学園側で知っているのはほんの一握りである。 普通に【任務】すればカナタの場合、失敗するのだが。 カナタは体力なし、運動神経ゼロに近く、何か【特別】な力があるわけでもない。 ついでにやる気もないし、面倒くさがり屋。 注意しないとお風呂もはいらない。 「カナタ。生活態度改めないとカビるぞ?」 「食べれるカビもあるらしいよ」 「何の話をしている、何の。  たとえカビが生えてきても食うなよ」 「…………」 「無言になるな、無言に」 レイズはため息をすると、カナタを背負い直し歩き出す。 どれくらい進んだか、静かな校内に不穏な空気が広がったのをレイズは気づいた。 前から三人の男たちがやってくる。 「チッ――」 レイズは鋭く舌打ちした。 会いたくないヤツらに遭遇したぜ、という感じで。
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