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しかし彼ら三人を尊敬している生徒はいなかった。
傷の男は暴力沙汰を、太った男は女子生徒にセクハラを、骸骨面の男は変な実験をして生徒を巻き込んで。
彼らがいなくなって喜ぶ教師、生徒が殆んどだろう。
「アンタたちも授業に出なくていいのか?
おっと、受け持つ教科はなかったんだよな」
「き、貴様……っ!」
侮辱された怒りか、傷の男はレイズを殴ろうと拳を握る。
腐ってもかつて――というか、つい最近までだが――教師と呼ばれた者。
拳に魔力が充実していた。
それがヒットすれば大岩など簡単に粉砕、生身なら上半身と下半身がバイバイするかもしれない。
「へぇ。学生に手を出すつもりか?
もしそんなことしたらエレント学園の教師が黙っていないぜ」
レイズはへらへらしながら傷の男を挑発する。
「俺様はもう教師じゃねぇ。生徒の一人や二人、殴ってやらあ!」
「ケケッ……やめておけよ、ゲーツ。
今、問題起こすのは今後のためよろしくない」
「くっ……!」
傷の男……ゲーツは悔しそうに拳を戻した。
「ザブザが言うなら今回は引いてやる」
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