カナタとルミナス【前編】

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しかし彼ら三人を尊敬している生徒はいなかった。 傷の男は暴力沙汰を、太った男は女子生徒にセクハラを、骸骨面の男は変な実験をして生徒を巻き込んで。 彼らがいなくなって喜ぶ教師、生徒が殆んどだろう。 「アンタたちも授業に出なくていいのか?  おっと、受け持つ教科はなかったんだよな」 「き、貴様……っ!」 侮辱された怒りか、傷の男はレイズを殴ろうと拳を握る。 腐ってもかつて――というか、つい最近までだが――教師と呼ばれた者。 拳に魔力が充実していた。 それがヒットすれば大岩など簡単に粉砕、生身なら上半身と下半身がバイバイするかもしれない。 「へぇ。学生に手を出すつもりか?  もしそんなことしたらエレント学園の教師が黙っていないぜ」 レイズはへらへらしながら傷の男を挑発する。 「俺様はもう教師じゃねぇ。生徒の一人や二人、殴ってやらあ!」 「ケケッ……やめておけよ、ゲーツ。  今、問題起こすのは今後のためよろしくない」 「くっ……!」 傷の男……ゲーツは悔しそうに拳を戻した。 「ザブザが言うなら今回は引いてやる」
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