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「ヤツらはくずだ。性根が腐ってやがる。
何度も人生繰り返してもそれが治ることないな」
目を鋭くさせて、吐き捨てる。
「レイズ。君はむやみに怒るな。また【暴走】したら……マズイ」
「あぁ。悪い、悪い。
肝にめいじるぜ」
レイズは苦笑いを浮かべると心の中でカナタに感謝した。
自分の中にいる【狂いし者】の存在を知っていても一緒にいてくれるカナタに。
「んじゃあ、【赤の間】に行くぜ」
レイズはカナタを背負ったまま、ダッシュをした。
☆
――【赤の間】。
その部屋はまさしくそれの名前に相応しかった。
【赤の間】は名前通りすべて赤である。
部屋の扉も、そして床や壁、天井も。
「失礼するぜ。ルミナス教師――のわっ!?」
【赤の間】の扉を開いて中に入ろうとしていたレイズはいきなり吹き飛ばされ、廊下の壁に貼り付いた。
「なっ……何がおこった!?」
答えを求めるようにカナタを見るレイズ。
レイズが吹っ飛ぶよりはやく。
いつもからは想像できない素早さでカナタは動き、レイズから離れていた。
「んー……【カナタトラップ君】が発動したみたいだね」
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