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カナタはのんびりと答えた。
「トラップ?」
「うん。発動者と僕以外が侵入しようとしたら吹っ飛ばすんだよ。
さっきのは威力最弱だね」
「あれで最弱!?
俺じゃなかったらケガしてたぞ!?」
「レイズは頑丈だからよかったね」
「うるせぇ!
しかしなぜトラップなんか」
「僕だけしか中にいれたくなかったんだろうね」
「俺、ルミナス教師は苦手だ」
「そう?僕は好きだけど?
優しいし、いいにおいがするし」
「それは【カナタ】だけだ。それより中、入らないのか?」
「うーん。どうも嫌な予感がする」
【赤の間】の前でカナタは思案顔。
「ここは何もなかったように引き戻ろうかな」
「やめてくれ。あとで折檻を受けるのは俺だ」
「でもさ」
「だあっ!【でもさ】じゃねぇ!
つべこべ言わずに入りやがれ!!」
渋るカナタの背中を蹴るレイズ。
カナタはよろけるように【赤の間】に入った。
すると。
どん、と床が揺れたかと思うと【何か】がすっ飛んできた。
「むくっ……!?」
柔らかい【それ】がぶつかってきてカナタは窒息しそうになる。
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