カナタとルミナス【前編】

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カナタはのんびりと答えた。 「トラップ?」 「うん。発動者と僕以外が侵入しようとしたら吹っ飛ばすんだよ。  さっきのは威力最弱だね」 「あれで最弱!?  俺じゃなかったらケガしてたぞ!?」 「レイズは頑丈だからよかったね」 「うるせぇ!  しかしなぜトラップなんか」 「僕だけしか中にいれたくなかったんだろうね」 「俺、ルミナス教師は苦手だ」 「そう?僕は好きだけど?  優しいし、いいにおいがするし」 「それは【カナタ】だけだ。それより中、入らないのか?」 「うーん。どうも嫌な予感がする」 【赤の間】の前でカナタは思案顔。 「ここは何もなかったように引き戻ろうかな」 「やめてくれ。あとで折檻を受けるのは俺だ」 「でもさ」 「だあっ!【でもさ】じゃねぇ!  つべこべ言わずに入りやがれ!!」 渋るカナタの背中を蹴るレイズ。 カナタはよろけるように【赤の間】に入った。 すると。 どん、と床が揺れたかと思うと【何か】がすっ飛んできた。 「むくっ……!?」 柔らかい【それ】がぶつかってきてカナタは窒息しそうになる。
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