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「カナタさん、しっかり~」
彼女はカナタを心配しつつ、再び抱き締める。
「ルミナス教師。カナタにトドメを刺すつもりか?」
「ふぅ、そうね~。カナタさん意識がないし、えとえと、ここは人工呼吸~」
彼女はおろおろしつつ、とんでもないことを口にする。
人工呼吸=キス。
人助け、というより、彼女がしたいからといった感じである。
彼女の名前はルミナス=バーズ。
魔法剣士というより赤魔導師である。
エレント学園の魔法科の教師でもあった。
ちなみにカナタの担任だ。
「ウチにとってもファーストキスですがカナタさんを救うため、へへ……仕方なくするね。
カ・ナ・タ・さん」
目を閉じ唇をつき出す。
教師が生徒にキスを迫るのは何だか背徳感がある。
しかもそういうことに初そうなルミナスがしているのだ。
それを見た男子は鼻血を出し、女子は目をまるくし、ルイセとユズキは怒るだろう。
レイズは…………ただ呆れていた。
彼にとってそれは見慣れた光景だからだ。
ルミナスは教師でありながら【ダサイ】カナタにゾッコン。
それはエレント学園の十三不思議に認定されていた。
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