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エレント学園の十三不思議とはいわゆる学校の怪談の七不思議みたいなものだ。
エレント学園にはそういった不思議がいっぱいあり、その中でも特に不思議なことが十三不思議である。
凡人以下のカナタに好意(?)を寄せているルミナスの気持ちが誰もわからなかった。
カナタは怪しい薬――たとえば【惚れ薬】でルミナスを魅了しているのでは?
などと噂になるくらいに不思議なことだった。
「ん……おはよう」
ルミナスのつき出した唇があと少しでカナタの唇に触れようとした時だった。
何か危険なものを感じたわけではないがカナタは目を開けた。
間近にあるルミナスの顔を寝ぼけた顔で見つめ、カナタは首を傾げる。
ルミナスはちょびっと顔を赤くしたが動揺はせずにニッコリと微笑んだ。
「おはようございます、カナタさん。もう少し寝てていいですよ?」
「……眠くありませんが、ルミナスさん」
「それは残念」
ルミナスは拗ねたように言ってカナタから離れるが、手は掴んだままだった。
「クンクン。カナタさん。何日かお風呂にはいっていませんね~?」
「ん。わかります?」
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