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カナタは薄い笑みを浮かべて、
「お風呂はいるのもそうだし、お湯沸かすのもめんどくて」
「いけませんよ~。体は常に清潔に」
「……誰も……困らないし」
カナタはぽりぽり頬を掻く。
「もう、仕方ありませんね~。
カナタさん。ウチと今からお風呂にはいりましょう」
――は?
そう間抜け面をしたのはレイズだった。
「ルミナス教師。今、なんつった?」
聞き間違いだと思った。いや、聞き間違いだと思いたかった。
エレント学園の教師は個人の部屋がある。
そこらの宿や寮などよりも内装は上等だ。
トイレや風呂場も完備され、何年も住もうと思えば住める。
「レイズ君はその年で耳が悪いの?」
「いや、ちゃんと聞こえた。俺は確認したいだけだ」
「だからね~。今からカナタさんとお風呂――」
「ぅおい!?」
突然声を張り上げ、部屋に踏み込もうとする。
が、【カナタトラップ君】に阻まれ、レイズは吹っ飛ぶ。
「……学習能力のない」
「フフ。レイズ君は万年赤点野郎だから」
カナタとルミナスは顔を見合わせて呆れ、バカにしたように笑う。
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