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カナタは天井を見上げてからぼんやりした感じで口にする。
「見慣れているから?
姉さんと同じ、みたいな?」
「うふふ、カナタさん。それはそれでウチは涙がウルウルかも」
安易に「女として見られてなくて悲しい」と言ってるのだ。
「二人で風呂といっても、やっぱりバスタオルをまいて入るんだよな?」
「ふっ……バスタオルまいてお風呂は邪道です。だから」
「すっぽんぽん?」
「御名答。はい、カナタさん。お風呂にいざ出発」
呆然とするレイズを残してルミナスはカナタを引きずり、風呂場に向かった。
☆
ルミナスは火の魔法石を手にして、それをまだ水しか張られていない浴槽に投げ入れた。
魔法石……それはいわゆる自然エネルギーを宿した結晶だ。
魔法石は主に魔法使いと呼ばれる者の媒体、魔力の増幅、そして一般的にも使うことがある。
たとえば暑いときに風を起こしたり、暗かったら光を点したり、工夫次第では使い方は無限。
ルミナスが浴槽に火の魔法石を入れたのは瞬間的に風呂を沸かすためだ。
薪をくべて地道に風呂をわかすのは面倒だからルミナスはいつも魔法石を使用している。
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