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「うん。ちょうどいいね」
浴槽に指をいれて湯加減を確かめたルミナスは頷いた。
カナタは赤ちゃんみたいに肌が弱い。
少しでも熱かったらすぐに肌が赤くなる。
「さてさて、カナタさん。ウチが脱がせてあげますからね」
脱衣場に戻ったルミナスはボーッと立つカナタに言った。
「ん。脱ぐくらい一人でできるよ」
「ダメ~。カナタさんは脱ぐのも遅いから。ウチに全部まかせて」
カナタは口では遠慮するように言うがまったく抵抗しなかった。
ルミナスの好きなように脱がされていく。
カナタが裸に近づくにつれてルミナスの表情が艶っぽくなる。
「それじゃあ最後に眼鏡を~」
ルミナスは言ってカナタの牛乳瓶底みたいな眼鏡に手を伸ばす。
するとカナタは信じられないはやさでルミナスの手をかわした。
「これはダメだよ。僕の大切なものだから」
珍しくカナタは鋭く、睨むようにルミナスを見上げた。
「……ごめんなさい」
ルミナスはしゅんとなってカナタに謝る。
見る者のほとんどが【ダサい】という眼鏡だがカナタは命より大切にしていた。
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