27444人が本棚に入れています
本棚に追加
ルミナスの視界に飛び込んできたのは無数に浮かぶ、魔法文字だ。
それが虚空に走り、魔法陣が描かれる。
そして魔法陣の中心に光が集い、ルミナス目掛けて放たれた。
「カナタさんがそばにいるのにいきなり魔法ですか!?」
叫んだルミナスは呪文を唱えて風を発生させて壁を出現させる。
「――風よ――」
「甘い」
ルミナスが展開させた風の壁はあっさり光条が貫いた。
「くっ……!」
呻いたルミナスはカナタをお姫様だっこし、風をまとい飛び上がる。
「やってくれますね」
ルミナスはぎりり……と奥歯を噛んだ。
と、先ほどルミナスとカナタがいた屋上に膨大な熱が発生した。
「やってくれたのはアナタだ、ルミナス教師」
ルミナスが声のするほうに視線を向けてみれば一人の少女――いや、幼女の姿。
年齢は八歳くらいに見える。
足元まで届く太陽のような金髪と勝ち気そうなルビー色のつり目。
色白であと十年もすれば間違いなく美女になりそうな感じだが――
「姑息なマネをしたな、変態教師が!」
吠えた幼女から魔力が噴き出す。
最初のコメントを投稿しよう!