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「悪い?」
ヒナタは鼻を鳴らす。
「カナタはアタシの弟――義理だがね。愛してもいる」
照れもせずにヒナタが想いを告白する。
「当然、寂しくて寂しくて仕方ない。仕事ばかりで学園にもあまりいれず、カナタはアタシ以外の誰かを見ている。
いつもいつもいつもいつもいつもな」
「誰かって誰です?」
「それは秘密だ」
「ケチですね」
ルミナスはヒナタを睨む。
「寂しさをまぎらわすためにカナタ人形を抱きして何が悪い!」
「ぅわ、ここに変態が!」
「だからアンタに言われたくない。ヒトの私物を持ち出しての変態妄想行為。許せない」
ヒナタは呪文を唱えてから力ある武器を具現化しようとしている。
「【英雄】の力――ここでは使わないでください!」
ルミナスは叫ぶ。
「流石にもう使わない。アタシは英雄であり、聖騎士で居続けないといけないからな。
みなの幻想を崩したくない」
「アナタを崇拝しているのはルイセさんだけですがね」
武芸科の女子生徒は憧れてはいるが、無条件でヒナタを信じ、命をかけるのはルイセだけだろう。
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