変態女教師と破天荒少女騎士とカナタ(人形)と

16/23
前へ
/897ページ
次へ
憎々しそうにルミナスは吐き出す。 「ウチ、決めました。カナタさんを追います」 「仕事を放棄する気か? アタシだってカナタのところに行きたいが、立場上それはできないんだぞ」 「だから代理の代理をたてます」 「誰にだ?」 「ツキヨさんのお孫さんに」 「レイズにか? あれは生徒だぞ。というか――」 むいていない。 あれは不良生徒だ。 たとえまわりが補佐的なことをしてもバカなあれのこと、途中で投げ出すに決まっている。 「大丈夫ですよ。逃げるまねをしたらその時は……クスクス」 「…………」 ヒナタは変なものを見るような眼差しをルミナスに向ける。 壊れている、と思う。 「アンタを行かせたくないが、カナタのことを考えると」 カナタを追って幼なじみの少女が二人、学園を離れている。 世界は非常に厳しい――大人がいないと都合が悪いことだらけだ。 カナタが【あれ】とはいえ、どうしても心配してしまう。 誰かに【あれ】を制御してもらわないとカナタが破滅してしまう。 肉体的にも――精神的にも。
/897ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27444人が本棚に入れています
本棚に追加