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家事全般は得意でルイセの振る舞いはユズキが思い描くお嫁さん。
時折、壊れたりするが……
なので当然、裁縫もできると思っていた――いや、ユズキが知るところ得意だったはずだ。
「何でそれなの?」
ボロボロ。
魔除けくらいにはなりそうだがエレント学園のアイドルでもあるルイセ作なんて言われても売れるかは怪しいところだ。
「き、緊張して手元がくるうんですよぉ……」
細身だがルイセはわりと力がある。
【カナタ】人形はもろく崩れ、ルイセの腕の中から抜けた。
「わりと不器用なのね」
「でしたらユズキさん。かわりにカナタ君人形を」
「断る」
ユズキは即答だ。
彼女はルイセやルミナスほどカナタに依存してない。
エレント学園を旅立ったのは純真に幼なじみを心配(?)し、文句を言うためだ。
しかし肝心の幼なじみの少年はいない。
数日前まではいたのだが、いつの間にかいなくなっていた。
突然の失踪(?)がルミナスの壊れた原因だ。
「アタシはカナタなんていなくてもどうでもいいし」
「ウソです!」
叫んでからルイセはユズキの荷物袋を指差した。
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