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天敵である太陽に負けたカナタはぐったりしていたところ、旅一座の人に助けられたのだ。
ボンヤリした頭でカナタは考える。
この少女の名前は確か――ルカ=プリングス。
この旅一座の客人的な立場の少女。
なぜ盗賊ギルド【野良猫】の彼女が旅一座に逗留しているのか疑問が浮かぶところだが、カナタはあまり深く考えないようにした。
「カナタ君。お水を飲む?」
「……ん」
カナタが頷くとルカはポットからコップに水をそそいだ。
それを運んできてカナタに渡す。
カナタは時間をかけて水を飲んだ。
「お医者さんが言うにはね、病気の原因は疲労と衰弱、しばらく安静にしてなさいって」
言ってからカナタの額に触れるルカ。
「うん。熱はだいぶ下がったね。見つけた時はホント、大変だったんだから」
「……迷惑かけたね」
「アタシは気にしてないけどね。一座の人も迷惑がってないよ」
「あとで……礼を言っておく」
「うんうん。それがいいね」
頷いたルカはちら、とカナタの上にたたまれた服を見た。
茶色い服――否、ローブ。
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