桜の木の下

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雨は少しずつ弱まっている。この分だと夜中には晴れるだろうな。 「……もう下校時間か」 校舎から続々と生徒が出てきている。雨のせいで部活のできない生徒が多いのか、晴れのときと比べるとその人数は多い。その中に知っている者たちが見えたが、俺も彼らも彼女らも関わろうとはしない。俺ははみ出し者だから……でも、ただ1人、そいつだけは俺に話しかけてきた。 「結局、授業には出なかったんだな」 「……ああ」 「そうか……」 「そうだ」 会話は途切れ、俺たち以外の生徒の声、雨の音だけが聞こえる。 「今日は……何時までいるんだ?」 「日付が変わるまで」 俺がいつも時間は違うが夜まで残っていることを知っているからこその質問だった。そして俺は即答した。
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