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俺は信じていたんだ。この先もずっと一緒に過ごすことができると。でも、まさか入学してから1ヶ月でお前が俺の前から姿を消すなんてな。それも何の前触れもなく
「おい」
桜の木の下にいる俺に誰かが声をかけた。
「なんだ、お前か」
「なんだはないだろ。なんだは……こんな雨の中、突っ立ってたら風邪ひくぞ」
「いい……今日はずっと、ここにいるから」
「今日はって……お前、毎日ここにいるだろ。あの子がいなくなってから」
「そうだっけ」
「そうだよ……授業にも出ないで、毎日ここにいる。進級もできてないんだぞ」
「知ってる」
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