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「知ってるって……進級する気がないのか?」
そう聞いてきたそいつは少し苛立っているように見える。正直、放っておいてほしい。
「さあな……授業が始まるぞ。行けよ」
「……お前も行けよ?」
そいつは校舎に向かって行った。何となく、悲しげな表情に見えた。俺のせいなのはわかる。が、今の俺にはどうすることもできない。あいつのいない学校生活なんて意味がない、と思っているから。
「そういえば……約束の後に俺が初めてここに来たのはあいつが同じクラスだったやつに告白されているのを見たときだったな」
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