桜の木の下

8/16
前へ
/16ページ
次へ
俺は安心しきっていたのだ。確かに、あいつは体が弱く、何度も入退院を繰り返していた。でも、それは小学生までで中学生になってからは一度もなかった。だから、もう大丈夫なのだと思ってしまった。 ……もう2時限目が終わる頃だろう。雨はまだまだ止みそうにない。でも、それでいい。この雨は俺に対する罰なのだから。 あの日以来、連絡は一切ない。あいつからもあいつの両親からも。だから、あいつがどうなっているのか、どんな様子なのか俺には全くわからない。 ただ言えるのはあいつが元気になって俺の前に姿を現したとしても俺は後悔し続けるだろう、ということだけだ。 なぁ、今どうしてる?
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加